名刺に刷った電話番号、あとで変えると何か所直すか数えましたか

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会社を立ち上げると、名刺やWebサイト、請求書、各種申請書類に「電話番号」を書く欄が必ず出てきます。ところがこの一行、後から変えると差し替え作業が思いのほか広範囲に及びます。当社も番号を決めるまでに数日迷い、費用と運用の両方を比べたうえで結論を出しました。今回は、代表電話番号を決めるときに検討した選択肢と、実際に選んだ理由、その後の運用を紹介します。

代表番号に求めた条件を先に決めた

選択肢を並べる前に、何を満たせばいいのかを言葉にしました。ここを曖昧にしたまま料金表を見比べると、安さだけで決めてしまい、後から運用が回らなくなると考えたためです。

挙げた条件は4つ

当社が書き出した条件は次の4つでした。

  1. 取引先や公的機関の書類で不自然に見えないこと
  2. 事務所の移転や人の増減で番号を変えなくて済むこと
  3. 月額の固定費が小さいこと
  4. 受けた電話を取りこぼしにくいこと

少人数の会社では、電話は一日に何十件も鳴るものではありません。だからこそ、鳴った数件を確実に拾える形かどうかを重視しました。逆に、大量の着信を振り分ける高機能さは当社の規模では持て余すと判断しました。

「見え方」は無視できない要素だった

条件の1つ目を入れたのは、実際に見え方を気にする場面があったからです。金融機関や一部の取引先の申込書類では、連絡先として固定電話の記入を前提にした様式が今も残っています。携帯番号だけでも受け付けてもらえるケースは増えていますが、確認の一往復が発生することがあります。

この一往復は一件あたり数分でも、書類の種類が増えれば積み上がります。信用の問題というより、事務の摩擦を減らす目的で、市外局番から始まる番号を持つ意味があると考えました。

IP電話とは

音声をインターネット回線経由で送る電話サービスのことです。契約形態によって、050から始まる番号を使うものと、市外局番から始まる番号(0AB〜J番号)を使えるものがあります。後者は所在地の確認など一定の条件が求められます。

3つの選択肢を比べた

固定電話・IP電話・携帯を比較
固定電話・IP電話・携帯を比較

条件が決まったので、固定電話・IP電話・携帯の3つを同じ物差しで並べました。

選択肢初期費用の目安月額の目安番号の形
加入電話(固定回線)数万円規模数千円市外局番から始まる
IP電話(クラウド型)数千円〜千円台〜050、または条件付きで市外局番
携帯電話端末代のみ数千円070/080/090

金額は契約内容や時期で変わるため、あくまで検討時に当社が見た目安です。

固定回線は費用と柔軟性で外した

加入電話は見え方の点でもっとも素直な選択肢です。ただ、当社の場合は工事と機器の初期費用が発生し、さらに事務所を移れば番号の扱いを考え直す必要がありました。少人数で、働く場所が固定されていない体制では、回線を物理的に一か所へ縛る構成が合いませんでした。

携帯だけの運用も検討した

次に、代表番号を携帯にする案です。初期費用が最小で、どこにいても出られるのは大きな利点でした。しかし、代表番号を個人の端末に紐づけると、担当を替えるときに番号ごと引き継ぐことになります。番号を書いた資料が世の中に残ることを考えると、人に紐づく番号を代表として出すのは避けたいと判断しました。

IP電話に落ち着いた

最終的に選んだのは、クラウド型のIP電話サービスで市外局番の番号を取得し、着信をスマートフォンのアプリと業務用の端末に転送する構成です。理由は、月額の固定費が小さいこと、番号が場所や人に紐づかないこと、そして市外局番の番号を持てることの3点が同時に満たせたためです。

判断の軸

当社は「安いか」ではなく「番号を変えずに済むか」を最優先にしました。番号の変更コストは、料金表に載らないところで発生します。

決めるまでの手順とつまずいた点

実際の手続きは、思っていたより確認事項が多くありました。順に振り返ります。

番号を決めるまでの流れ

  1. 1

    条件の書き出し

    代表番号に何を求めるかを4項目に整理し、社内で共有しました。

  2. 2

    サービスの比較

    市外局番の番号が取れるか、転送先を複数に設定できるか、解約時に番号がどうなるかを軸に3社ほど比べました。

  3. 3

    所在地の確認書類をそろえる

    市外局番の番号を使う場合、事業所の所在を確認する書類の提出を求められることがあります。ここで数日を使いました。

  4. 4

    番号の取得と通知先の更新

    名刺、Webサイト、請求書テンプレート、各種登録情報の順に反映しました。

つまずいたのは「反映漏れ」

番号自体はすぐに使えるようになりましたが、手間がかかったのは4番目の更新作業でした。名刺やWebサイトはすぐ思い浮かぶ一方、請求書の雛形、メールの署名、取引先ポータルへの登録情報、地図サービスの事業者情報など、番号を書いた場所は想像より散らばっていました。

当社は途中から、番号を記載している場所をリスト化して一つずつ消していく方法に切り替えました。最初からリストを作っておけば、確認の往復は減らせたはずです。

解約時の条件は先に読む

IP電話サービスは、解約すると番号が使えなくなる場合があります。乗り換えの可否や条件は契約前に確認しておくと、後の選択肢が狭まりません。

その後の運用

複数端末で同時に鳴らす運用
複数端末で同時に鳴らす運用

運用で決めたことは3つです。

第一に、着信は複数の端末で同時に鳴らします。誰か一人が必ず出られる前提にはせず、鳴っている状態を複数人が把握できる形にしました。

第二に、出られなかった着信は、当日中に折り返すか、留守番メッセージの内容を共有チャットへ流します。電話は記録が残りにくいため、内容をテキストにしてから対応を決める流れにしました。営業電話と用件のある電話を仕分けるうえでも、この一手間が効いています。

第三に、営業時間外はアナウンスに切り替えます。無理に24時間対応をうたわず、対応できる時間を明示するほうが、相手にとっても分かりやすいと考えました。

半年ほど運用した実感としては、代表番号に高機能さは要らず、「鳴ったことが分かる」「内容が記録に残る」の2点が満たせていれば、この規模では十分に回ります。

まとめ

代表電話番号は、費用そのものより「変えにくさ」を前提に考えると判断しやすくなります。当社は、市外局番の番号を持てて、場所も人にも紐づかないクラウド型のIP電話を選び、複数端末への同時着信と内容のテキスト共有で運用しています。

これから番号を決める方は、まず自社が代表番号に求める条件を3〜4項目に書き出してみてください。料金表を見る前に条件が決まっていると、比較の時間はぐっと短くなります。